2004/03
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雲ながる桃の節句に吹く風の春らしからぬ寒い手触り
待ちわびし春来たれども曇天の下に咲く梅凍えきこえし
春告げる魚を量りし商人の喜び満ちる顔かお笑顔
軒先にたなびて香るいかなごを炊きたる鍋の告げし春かな
タッパにはイカナゴつめて送りたるまだ春も来ぬ雪国の里
知らぬ間に雛人形要らずにて其れでもだして春を祝おう
子と居れる時期は流れいく走馬灯せめて伸びよと雛をなおさず
指先の返事打つ手の冷たさにまだ春とは期待にすぎず
酔うほどに気高く匂う梅香のその先に待つ陽光の園
窓濡らす雪の舞い散り菜の花の黄色に染まる春も白める
吐息さえいまだ輝く三月の朝に思う待つ人の心
まだ寒い明け方の部屋私だけ当然のように指先凍る
それでも待ちわびている真の春輝く日差しに金が練られる
まだ寒いと挨拶の文言にあるのは愛しい冬を断ちなん
降る雪が厚み等しく降り積もる国産車もドイツ車にも
枯れ草の下に待ちたる春息吹思いもよらぬ花が咲いても
名残雪三寒四温街にさえ今だ残るは季節の息吹
買い置いたチョコレートが微かだが白んでる温もりの為
なお残る冷たき風の季節さえ春の前にはイトオシクある
木蓮が蛍光灯に白く照り一日尽きて青さも暮れん
強き風手折りし花の侘しさを汲み取らんとて華を手に取る
筍の煮物つくりてほうばるは若き吐息をのむに似ている
知らぬ町通り過ぎたるトラックの荷に積りしは忘れ形見か
黄色くは染まらぬまでも春告げる食卓には苦い菜の花
散る梅の寂しさ知るはいずれには散ることになる桜のみかな
東国知らぬ形の桜餅春請う気持ち変わりなくとも
店先に並ぶひまわりここだけは常に季節が早回されて
日が伸びて声響く夕方春の温くなりしは風だけでなく
猫が白昼の日の下あくびをひねり出してはかすむ空かな
大根のやや辛くなる舌触りならば下して餅に絡めり
木蓮の花やや陰り一区切り寒さ増すは春のためかな
次の雨でいよいよ逝く木蓮の寂しさ汲みて春を歩もう
まだ翳す沸きたるなべに手を頬を満たない心温めるように
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