2004/07

カエサルの季節訪れ向日葵の昨日今頃より良い素顔

潮騒が聞こえはじめる朝焼けの夢現つにて泳ぎ浮かびて

翡翠色青地に浮かべ島並のビーチパラソル刺さりて陰り

灰色に栄えて咲きたる紫陽花の裾に迫るは真夏のかほり

透き通り微かに見える寒天の果てに表る夏の幻想

熱帯夜剥く柑桔のパルフアン不安なことは闇の間に間に

色黒く焼けた男の手にするは雪のごとくに白い指指

蒸す夜はやけに孤独がにじみ出る彼女のマスカラさらに濃く

夢見るも羽音満ちたる牛の刻打って落とすもたが夢の中

肺に濃く貯まっていくは渚風今宵夢にて泳ぎ流れむ

暗闇に誘い喚びたる潮騒の上に浮かぶは真珠の帯

寝不足の眼そまりし西瓜色冷やして喰いて白さ見せたり

川辺にて密やかなるほど蛍の短きライトショウとライフ

表紙に浴衣纏いし女性の雑誌誘いて夏が開かれ

会うこともまま成らずこの恋路行くスーツネクタイ彦星待って

短冊に書く程もない願い事だあれも知らぬ夜に呟く

水浴びて笑浴びせたる幼子の傍で見ている母は溺れし

水のみて息ついているその顔の完璧すぎる鳩の振る舞い

白々と真夏の森に光る灯の暑苦しくて息もできない

過ちの果てに過ち待つのなら浮かばれやしないよ人の子は

蒸した風抜けて流れる七夕のホームとホーム別れて帰る

美しく暮れていく日に生きてみて季節がつづくように生きたい

青い実のトマト生えたる夏の庭君が走りて赤く色付く

かじりたる庭のトマトに苦味あり探しにいくも見つかりゃせん

重たげに実りて落ちる赤茄子に会えずに閉じた君を偲ばん

朝露に煌めき蓄めるトマトの実輝き知りて赤く色付く

夏の盛にバーゲンセールに行き秋にも着れる長袖探す

祭り待つ町衆たち熱気立つ囃さながら御輿組みたる

厄除けを願い詣でる神域の涼し暗闇蝉崩したり

夏色が満ち足る商店街の中にあらわれた純喫茶

陽に焼けた子等の掻きたるクロールの飛沫に泳ぐプリズムの色

夕暮れの憂さを流した夕立に生まれたるもや吾の姿消す

夏祭り彼女慣れぬ浴衣にていつもよりゆるり吾を追い掛ける

海岸の波打ち際に浮き輪あり主人なくすもただ流れ浮いて

西日さすこの部屋一人汗を掻き為すこともせずただ薔薇色に染む

日焼け跡ざらりと残る浜の砂まだ少しだけ泳いでいたい

日が陰る積乱雲が横たわりにわか夜来てまた去っていく

天にいく梯子を昇る向日葵の行く手待つのはさてさて何だ

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