2004/08
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冷房が効きすぎて肘が冷えきる外気に触れてようやく溶ける
いらだちを積み重ねても太陽を頂く天に触られぬ夏
雨に濡れ眼鏡ごしにはオパールの輝きに似た車のライト
蒸し暑くけだるく起きる寝床にてまだついばみてただ過ごしたい
霧雨のなか運命と待ち淡す私の輪郭は溶けていく
陽炎に蜃気楼が如く浮かぶあの日の思い今日の事実
吠えようも湿り気に逝くこの思い誰も知らずや熱帯夜にて
手に凍みる冷えた汗かくラムネ飲み熱を静かに思い沈める
痛みにて気付く有り様夏空の下に住みたる些細な私
キラメイテ光り泳がす瀬戸内のやさしきウネリ我を洗わん
あの人をもう当てにしない何ていう瞳の先に焼けた肌あり
冷房の効いた車内人あらずふと香るのは夏色の夢
日が落ちて知らず吹きだす涼風の熱射からむ夏の仕舞いに
氷水素早く還る元の空明日のほうに雲が生まれる
熱気にて背中伝うは一筋の名もなき雫名もなく乾く
終わること告げる雨降り向日葵の葉先はそろり涙を落とす
濡れていく体と心置き去りに夕立の中君は走った
キャラメルカフェラテ飲み舌包むその甘さにて悲しみ隠す
雨上がり夕暮れ作る紅玉生まれ変わった空気食みたり
枯れた庭雨飲み込めど潤わず酷な日差しの荒ぶりを知る
肌寒く冷やされだした夏の夜意識放して闇を浴びます
大風の前におののく人の子ら天気図眺め無力を知り
遠吠えが空の遠吠えが響きて好天去りて荒天来たる
駅前のドーナツ屋にて過ごす時店の喧騒吾を消し隠す
読み出したフリーペーパー飽きた頃隣に誰もなくただ日差し
制服を纏いし生徒零れる若さは積乱雲
明るくも欝陶しさを漂わす夏も終わりの八月ある日
夢見にて逝った祖父母の香りして盆も過ぎ行く気配を感ず
枯れないで例え日差しが今世紀最も強く君を射しても
日の入りが加速していく夏の末そろそろ肩に涼しい風が
うろこ雲闇に浮かぶは秋の様夕暮れがいま二人を包む
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